ペルシャ絨毯協同組合 Persian Carpet Association in Japan

ペルシャ絨毯協同組合 Persian Carpet Association in Japan

連載コラム/Column:素晴らしきペルシャ絨毯の世界

第6回:ペルシャ絨毯の産地と種類 〜タブリーズ〜
シルクロード交易で栄えたアゼルバイジャンの都

 タブリーズは、テヘランの北西約620kmに位置するオアシスの小都市で、東アゼルバイジャン州の州都です。コーカサス山系の南、標高1367mの高地にあり、夏は涼しいけれど、冬は寒く、厚い雪におおわれてしまい、気候条件はかなり厳しい土地です。農業を主とする町で、かつては、バクーやカスカズへ通じるヨーロッパ文化の窓口、シルクロードの交易の拠点として商業も栄えました。この地は、いろいろな意味でもっともヨーロッパ世界に近かったといえるでしょう。古くから東西交通の重要な位置にあったため、その歴史はササーン朝時代に始まり、3世紀にはアゼルバイジャン、14世紀にはイル・ハーン国の首都ともなりました。19世紀にはイランの商業の中心地として、タブリーズ商人の絨毯産業復興における活躍ぶりは目をみはるものがありました。

トルコの支配下にあった時代の方が長かった

 交易で栄える町は侵略に晒されるのが常で、タブリーズもまたトルコの支配下で栄えた時期の方が長いくらいです。それは、いまもタブリーズでの日常語は、ペルシャ語ではなくアゼルバイジャン語を使っていることにも示されています。地震活動の活発な地域であり、歴史的な遺跡はあまり残っていません。イルハン朝の時代、13世紀初頭に建設された要塞の跡、アルゲ・タブリーズやマスジェデ・カブード(ブルー・モスク)などが有名です。また、南へ50kmほどのところには、まるでカッパドキアのような、奇岩をくり抜いた中に人々が生活しているキャンドバン村などがあります。




カギ針を使った「トルコ結び」で緻密な文様を実現

 絨毯製作の歴史は古く、17世紀以来、ペルシャ絨毯の最も重要な産地のひとつとして有名です。イランで最も近代的といわれ、徹底した品質管理で高い評価を得ています。タブリーズの絨毯はヨーロッパ市場を見据えたため、幅広いデザイン開発がなされ、よく知られたコーカサス風の幾何学模様や動植物を巧みにアレンジしたデザイン以外にも、ヨーロッパの影響を受けた花柄のデザインなど新しい感覚のものも多く作られています。色使いは赤・青・アイボリーが一般的で、深みのある落ち着いた色調で和室にもよく合います。また、モテガレン=アザリ結び(トルコ結び)という結び方に特徴があり、ゴブラと呼ばれる独特なカギ針を使用して織られる緻密な織り目と正確な文様で知られます。この織りの技術は素晴らしく、写真や絵画のような写実的な絨毯もあります。ベースはウールですが、イスファハンやナイン同様にウールにシルクを織りまぜた絨毯も作られています。

ペルシャ絨毯(タブリーズ)  ペルシャ絨毯(タブリーズ)  ペルシャ絨毯(タブリーズ)  ペルシャ絨毯(タブリーズ)  ペルシャ絨毯(タブリーズ)

ペルシャ絨毯(タブリーズ)  ペルシャ絨毯(タブリーズ)  ペルシャ絨毯(タブリーズ)  ペルシャ絨毯(タブリーズ)  ペルシャ絨毯(タブリーズ)

ペルシャ絨毯(タブリーズ)  ペルシャ絨毯(タブリーズ)  ペルシャ絨毯(タブリーズ)  ペルシャ絨毯(タブリーズ)  ペルシャ絨毯(タブリーズ)

ペルシャ絨毯(タブリーズ)  ペルシャ絨毯(タブリーズ)  ペルシャ絨毯(タブリーズ) 

ペルシャ絨毯(タブリーズ)  ペルシャ絨毯(タブリーズ)  ペルシャ絨毯(タブリーズ) 


▲このページのTOPへ
[ バックナンバー ]